自分がワクワクするか、そしてそれが周りのみんなにもワクワクしてもらえるか【渋川駿伍氏 インタビュー】

人の時間を売買できるアプリ「タイムバンク」に最年少で上場し、現在は先日資金調達を発表した、学習ログ共有サービス、学習コンシェルジュサービスを提供する株式会社noFRAME schoolsのCEO渋川駿伍さんにお話を聞きました。渋川さんは高校卒業後、1年のギャップイヤーを過ごしたのち、一般的な大学に通うのではなく、MITxMicroMastersに1期生として入学。ポップコーンが大好きということもあり、ポップコーン協会も立ち上げました。ギャップイヤーをとる、一般的な大学には通わないという選択、そしてポップコーン協会会長であり、現在は経営者として活躍。『最”尖”端」という言葉がぴったりの彼の苦悩や努力に迫ります。

 

・・・

[聞き手:石井 話し手:渋川(敬称略)]

 

『社会問題を解決する手段としての起業を知ったことがきっかけ』

 

石井:

明らかに、異色な経歴を持つ中で、なぜ今起業に至ったのですか?

 

渋川:

自分の中に起業したいという選択肢ができたのは高校一年生の冬です。

 

石井:

起業という選択肢ができたきっかけは何ですか?

 

渋川:

私の地元は長野で、キャンプなどアウトドアが大好きだったということもあり、長野で行われたスノーピークというアウトドアブランドの会社の社長の講演会に参加しました。僕はそこで大きく2つの影響を受けました。一つは長野の地方衰退が現実的に感じたことです。それまでもテレビで放送されているのをみて、長野の地方衰退は知っていましたが、正直現実味がわかなかったです。でも、スノーピークの社長が話しているのを聞いて、これが社会問題かと、自分の身近に社会問題があることに気づきました。2つ目は、その大きな社会問題を解決する手段として、行政など大きな機関だけではなくビジネスでもできるということを知ったことです。スノーピークがアウトドアと絡めて地方創生をしようとしているということを聞き、社会をよくしていくには、国などの大きな機関だけではなく、起業して事業を回していくという方法を知った。それで社会を良くするというのはすごくカッコ良いと思いました。最初はスノーピークの社長に憧れて、自分の中に起業という選択肢が芽生えたことがきっかけです。

 

石井:

なるほど、ちなみに起業という選択肢を持つ前は何を考えていたんですか?

 

渋川:

それまでは環境大臣になりたかったんです。小学生くらいの時に、テレビをみていて地球の環境がやばいと感じました。そこに大きく影響を受け、それを変えたいと言っていました。そのため、社会課題を解決する方法として、ぽっと思いつくのが行政しかなかったというのもあります。だからこそ、高1の時の出会いは本当に新しかったです。

 

石井:

起業する理由は、社会を良くしたいという情熱があるんですね

 

渋川:

そうですね。特に今の会社は、一年前には任意団体として活動していました。最初は中高生向けの教育プログラムを2泊3日で運営したりイベント開催したりしていました。4月に登記したんですけど、それはお金のやり取りや出資を受けやすくするための箱として起業しました。

 

石井:

ちなみに、そもそも社会に貢献したいというのはいつから考え始めたんですか?

 

渋川:

小学生くらいの時くらいから感じていました。小学生の頃からパソコンを持っていて、色々な情報にアクセスできたのが大きかったです。今でも、宇宙のこととかを調べて感動したのを覚えています(笑)。パソコンを使っていろんな情報や知識をネットで知れました。中学生の時には、放送大学のラジオ放送を聞いていたりしていろんな情報を集めていましたね。そうして、色々な知識を深く知れば知るほど、同時に課題意識も持ち始めたという感じです。

 

石井:

とても知的好奇心が旺盛なんですね

 

渋川

そうなんです。学校でも図書館にいることが多かったです。とにかく自分で何か学ぶとか、授業とか受けても先生に直接聞いてりするのが好きです。全然違う学問でも深く知っていくと、奥の方で何か繋がる瞬間が僕の中ではとても楽しかったです。

 

『自分がワクワクするか、そしてそれが周りのみんなにもワクワクしてもらえるか』

 

石井:

渋川さんは、これまでの人生で本当に多様なことをやられている印象を持ちますが、その行動を選択する際の行動の基準はあるんですか?

 

渋川:

僕の中に一つの行動指針があります。それは「自分がワクワクするか、そしてそれが周りのみんなにもワクワクしてもらえるか」というものです。それは、何か迷った時や悩む時のジャッジする物差しとなっています。

 

石井:

その行動指針はいつから言語化できるようになったんですか?

 

渋川:

高校2年生くらいですね。生徒会長を勤めるという経験を通して言語化できるようになりました。

 

石井:

自分のなかで持っていた、暗黙の行動指針と言語がマッチした時、どういう感覚でだったんですか?あ!これだ!って感じですか?(笑)

 

渋川:

これしかないなと思いました。それは自分自身を振り返った時に、大きなことにしろ小さなことにしろ自分だけワクワクしていても周りが付いてきてくれなかったり、自分だけが空回りしてしまうことが何度かありました。逆に、周りがいかに楽しんでくれるか、どうやったら頑張ってくれるかだけを考えて、自分をないがしろにした時は、物事が続きませんでした。このようなことを繰り返していく中で、自分もワクワクしていて周りもワクワクしてもらえていることをやった時に、一番うまくいくというのを、たくさん失敗してきた中で気付いたんです

 

石井:

自分の中の行動指針を見つけられてから人生に変化はありました?

 

渋川:

結構変わりました。言語化できてからは、物事を決定する時にほぼ悩まなくなりましたね。最初に、自分の中の行動指針を見つけた時は自分自身も半信半疑なんですよね。だけれども、それに従って行動し続けていくと、それを半年とか1年とか続けていくと、それに自信をもているようになります。それはその言葉にもそうだし、そのやってきた行動にも自信を持ち、胸を張れるようになります。

 

 

 

『社会から切り離されている感覚がある』

 

石井:

なるほど。ちなみにその中で苦悩とかってあるんですか?表向きにはキラキラしている部分しか見えなくて(笑)

 

渋川:

めちゃくちゃありますね。1年前はギャップイヤーをとって、ヒッチハイクで日本一周をしたり、プロジェクトやったり、ポップコーン協会立ち上げあたりなどしていました。そのように人と触れ合っている時はいいんですけど、ふと1人になった時に、あれ俺何してるんだろうとか、社会から切り離された感覚がありました。時間軸がずれている感覚ですね。

 

石井:

孤独感のようなものを感じていたんですか?

 

渋川:

一年前は特に感じていました。今は会社のメンバー6人とやっているのもあって、去年に比べると孤独感は薄れています。ただ去年は孤独感がすごくありました。自分と同じ選択をしている人が周りにいないし、なおかつ自分の進んでいる道が正しいかわからなかった。そんな中で、決断した自分を幸せにするためにとにかく走り続けてたっていう感じです。

 

石井:

ギャップイヤーを過ごしたり、一般的な大学に通うわないという選択は、やはりワクワクするかという行動指針に基づいているのですか?

 

渋川:

そうですね。一番は、自分の人生のミッションである社会のワクワク総量を増やすことっていうのがあって、それに繋がっている感覚があります。

 

石井:

今、渋川さんがもっともワクワクを感じる時っていつですか?

 

渋川:

会社経営している中で、毎日やばい状況に陥ります。そんな中で、ディスカッションなどを通していく中で、これいけるんじゃないかという道筋が見えることがあるんです。その瞬間にワクワクをもっとも感じますね。

 

石井:

だからこそ、苦悩があるなかで前に進んでいられるんですか?

 

渋川:

そうですね。僕の中では、どこにいるときに自分が学習できるか成長できるかを常に意識しています。自分の時間をどこに投資するかを常に考えていて、1分でももったいないと思ったらTEDなんかを見たくなります。とにかく時間の濃度が最も濃いところはどこかを意識しています。それでいうと、起業して経営者の立場でいると、社会の情報やニュースをインプットして、自分の事業に繋げられないかを考えていて、主体的な学びができています。僕は今が、多分今まで生きていた中で、一番勉強している感覚がありますね。

 

石井:

渋川さんの野望を聞かせてください

 

渋川:

正直ワクワクを増やしていけたらいいという自分がいますね(笑) 野望を抱く反面、ちょっとでもワクワクする感情を増やせたらそれで十分かとも思っています。そもそも、なぜワクワクを増やしていきたいかと思ったかというと、中高生の時に、なんで自分はこの世界にいるんだろうとか、なんで死ぬのに生きているのだろうということを考えていました。すると行き着く答えは、ほぼ世の中は虚無というか、自分以外の存在も本当にそこにあるかはわからないというところにたどり着きました。それであれば、何をしたっていいし、どう時間を過ごしたっていい。でも確かに自分が生きている感覚を感じるのは、相手が笑っていて尚且つ自分自身もワクワクしている時でした。そういう瞬間に世の中に何かプラスを生み出している感覚を持てます。世の中は虚無であるというのとは矛盾するけど、何か確実に生み出し感覚が味わえます。全てはそこに行き着きますね。

 

『人生の主人公を増やす』

 

石井:

話が変わるんですけど、教育系の事業を始めた理由はありますか?

 

渋川:

僕の中でワクワクの総量を増やす手段として、教育が一番与えるインパクトが大きいと考えています。僕が作っているサービスや教育を通して、自分が誰かに影響を与えて、その影響を受けた人も誰かに影響を与えるという連鎖反応が起きる。それを考え時に教育が一番インパクトが大きいと思いました。あともう一つが、学びのサービスにフォーカスすることで、自分自身も学びにフォーカスすることができる。僕自身この会社だけで終わるつもりはなく、今後2社3社と新しいサービスを生み出していくつもりです。その中で、20歳のタイミングで一生使えるサービスを作り、教育にフォーカスすることで、その学びは永遠と続いていく。別のサービスを作ったとしても、それが教育のジャンルじゃなくても、今作っているサービスに関わり続けられる、ユーザーが僕だとしても、一生つかえるサービスを作りたいんです。 

 

石井:

2社3社とサービスを生み出して行こうとしている中で、1社目で目指しているゴールはなんですか?

 

渋川:

今作っているサービスでは世界中に最適な学びを届けられると思います。それによって人生の主人公を増やしたいと考えています。自分の人生のシナリオの主人公になることで、もっともアグレッシブに動けると思っています。僕の中では最大多数の最大の幸福をうめると思っています。まずそれは作りたいです。

 

石井:

渋川さんのように、メインストリームにとらわれずに行動するためにはどうしたらいいんですかね・・・その行動をするには周りの目が気になりますよね

 

渋川:

自分が人生の主人公であると感じることができれば、他の人たちは自分のストーリーを演出してくれるキャストになります。たまにごく少数だけ重要な人がいるけど、多くの人はあまり影響がありません。批判したりする人は、自分のシナリオを盛り上げてくれる人。言っていることを批判ととるか忠告ととるかはその人によって変わってきますが、その人がどういう意図で言っているのかを考えて、批判と捉えているならそれは無視してもいいと思います。

 僕は、人間の社会にも恒常性は働いていると思います。つまり、何かしらのコミュニティがある中で、人は同質性や均質性を無意識に保とうとします。何か飛び出そうとしたり、落ちこぼれてしまいそうになると、大多数のコミュニティの中ではそれを中心に合わせようとします。それが自助作用として働くと助け合いになったり、良い面がでますが、これは何か飛び出そうとしている人にも働いているんです。こうしたほうが幸せになるよとか、安全だよなどと言うのは、その人ためを考えてるからです。それでも、振り切って出ようとするためには、まずそれを構造として認識することが重要だと思います。僕は、そういう認識を持てたことで生きやすくなりました。

 

石井:

ちなみに弊団体は思いと行動力溢れる学生がもつアイディアを事業レベ ルまで引き上げるサポートしています。最後に、最尖端に活動しようとしているがなかなか踏み出 せない人に向けて一言お願いします。

 

渋川:

自分自身が人生の主人公だと思って、ワクワクすることをすれば良いと思います。その楽しさに突き動かされて情動的に動いていいと思います。

 

石井:

ありがとうございました!!

 

 

 

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